経済産業省・中小企業庁は4日、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」を公表。県内から4社、日高地方からは由良町里の中紀バス(株)(高垣太郎代表取締役社長)が選ばれた。生産向上、需要獲得、担い手確保の3分野で優れた取り組みを展開している中小企業等が選定され、高垣社長(55)は「今後も時代の変化をとらえ、日々挑戦していきたい」と喜びを語った。
ITサービス導入、経営資源の有効活用等による生産性向上、積極的な海外展開やインバウンド需要の取り込み、人材活用や円滑な事業継承などのさまざまな分野で活躍している中小企業や小規模事業者の全国300社が選ばれた。
中紀バスは1933年に創業。路線・貸切バスを主体として地元公共交通機関としての役割を果たしているほか、観光面でも地域に貢献している。新しい観光総合事業では海外のエージェントと連携したツアーに取り組み、地元和歌山の観光資源を提供。関西空港や東京の羽田国際空港の近くにも新たに営業所を開設し、来年開催の東京オリンピック等に向けた体制を整備している。
湯浅町でも古い町並みの散策に加え、しょうゆの手づくりやしょうゆを使った料理を昧わう体験を通じた体験型ツアーも企画、観光開発を通じて地域の活性化にも貢献。
他にも県内大学と共同で「お医者さんと行く~観光医療ツアー~」を実施し、近年高まりつつあるインバウンド富裕層をターゲットとした観光医療ニーズにも対応。「医療・健康ツーリズム」を計画するなどと独自性の高いサービスの構築に手掛けている。
高垣社長は全国300社の一つに選定されたことについて、「日本を代表するような企業の中に選ばれたのは会社を育ててくれた地元の皆さんのおかげで、とても光栄。今後の企業の成長が期待されている面もあるので、今後も日々努力していきたい」と話した。
経済産業省は選ばれた全国各企業の取り組みを冊子などにまとめ、中小企業・小規模事業所の経営に役立てる。
更新:2019年6月13日