更新:2013年4月10日
中紀バスグループ主催の防災知識研修会は24日、御坊商工会館で開いた。近い将来、南海トラフト巨大地震の発生は予想されることから、社員は東日本大震災での事例や心構えなどを聞いた。今後は同業者と連携して災害時の安否確認をはかるなど非常事態に備えたいとしている。
社員向けの研修会で、バスやタクシーの運転手、添乗員、訪問介護にかかわるヘルパーら30人が出席。高垣太郎代表取締役社長が「我々の仕事はお客様にサービスを売る商売で、観光バス、介護タクシーを運行しお客様の大切な命を預かっていると言っても過言ではない。災害が発生した時に備え、心構えを作ってほしい」とあいさつ。
講師は東日本大震災の被災地を何度も訪れ、炊き出しにも行っている二階代議士の秘書・二階俊樹氏で、現地の様子をスライドで報告。宮城県石巻市大川小学校(生徒108人・教職員13人)では避難時間が50分ほどあったが、避難する場所が定まらず議論しているうちに生徒74人、教職員10人が死亡・行方不明になった悲しい事例、「釜石の奇跡」で知られる岩手県釜石東中学校と鵜住居小学校の児童生徒が日頃の避難訓練を生かし犠牲者を出すことなく無事に避難したなど、いろんな事例を報告。
東日本大震災の被災者が最もストレスを受けたのは、家族の安否が分からない中生きていることだったとし、災害が起こると被災地は電話がつながりにくくなるので、地震が発生していない場所を連絡先に決め、各自が家族の安否を確認し合う連絡の取り方、災害が発生した時には「あいつなら〇〇に逃げているはず」と思えるよう相手と信頼関係を築き、それぞれが避難できる態勢がとれる環境づくりを整えることが大事と心構えも話した。